上下異形状の加工。(自分メモ)

ワイヤカットには上下異形状という、ちょっと変わった加工があります。ワイヤカットの上ヘッドと下ヘッドを個別に動かして、3次元形状の用に加工する方法です。機械は指示通りに動くのですが、プログラムが面倒。。。以前は親父さんがポチポチと手入力をしていましたが、チェックしたりといろいろ大変でした。

今ではCAD/CAMを使い簡単に~。。。と言いたいところですが、たまにしかやらずいつも苦労するので、注意点を日報で残すようにしました。

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Q:ワイヤーカットの面粗さとは?

Q:ワイヤーカットの面粗さ(面粗度)ってどれくらいなの?

という質問をよく受けます。ざらざらした面なのか、ピカッと光るかんじなのか、ヘアライン仕上げくらいにはなるのか??・・・etc

面粗度を言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、数値のみで示してもなかなかイメージがわかないと思うので、写真と数値+自分の感覚で説明したいと思います。

↓↓↓が今回加工したテストピースです。

S45C
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ワイヤーカットで丸物加工40mm切り欠きも問題なし。タチバナ製作所のワイヤーカット治具紹介

そろそろ年末モードになってきました~。

今回は、SUS304の丸棒に深さ40mmほどのコの字切り欠きをワイヤーカットで加工しました。

浅い切り欠きならマシニングでも対応できますが、40mmの深さになると変形リスクも大きいため、ワイヤーカットの依頼をいただくケースが多いです。

写真のように、丸物をしっかり固定できれば、ワイヤーカットとしては特別むずかしい加工ではありません。
ただし——
丸物を安定して固定できる治具(Vブロック)がないと、一気に手間が増えるのが現実です。


タチバナ製作所が加工をスムーズに終わらせられる理由

うちでは、ワイヤーカット専用の治具をの多くを自作しています。
暇な時間に作るのが一番使いやすいし、現場のクセが分かってるから改良もしやすいんですよね。

今回使ったVブロックのポイントは次の3つ。

① 固定しやすいように両サイドへ切り欠き加工

どんな姿勢でもクランプしやすく、段取り時間が短くなる。

② ワークを直接固定できるように治具にタップ加工済み

丸物が転んだりズレたりする心配がない。

③ ワイヤーカットの弱点(高さが上がると遅い)を避ける低い設計

加工速度をできるだけ落とさず、段取りも安定。


深い切り欠き加工は、専用治具がある町工場が強い

丸物 × 深い切り欠き × SUS304
この組み合わせは、段取りの良し悪しがそのまま品質と納期に影響します。

自作治具を使いながら、なるべくサクッと加工を終わらせています。


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0.5φの穴加工「t0.5ステンレスにΦ0.5穴加工!超極細ドリルで挑んだマシニング加工の実録」

t0.5ステンレスにΦ0.5穴加工!極細ドリルで挑んだ薄板加工のリアル

今回のご依頼は t0.5mm のステンレス板に Φ0.5mm の穴加工。
最初は「いつも通りワイヤーカットで外形から切るのかな?」と思っていたら……
いやいや、レーザーで外形を抜いた状態のワーク支給でした。

まぁレーザーで十分な精度なら、コスト面でもレーザーの勝ち。
「外形もワイヤーでやらせてくれ!」なんて口が裂けても言いません。心の中だけで叫びましたけどね。笑


■ Φ0.5mmの穴加工、その不安と現実

実は Φ0.5mm の穴加工って 人生で1回くらいしかやってない
正直ちょっとビビりました。

まず最初に選んだのは、タチバナ製作所が愛してやまない OSGさんの EX-SUS-GDS
ただ、届いてみてビックリ。

細い部分の長さが思ったより長い!

Φ0.5 のストレート部が 7〜8mm くらいあって、
「あれ?もっと短いと思ってたんだけど…?」と軽く絶望。

折れるか心配だ~。

カタログには溝長さは載ってるけど、細径ストレート部の長さは載ってないんですよね。
これ、地味に罠。


■ ミスミの超硬ドリルに救われた話

ドリルではなく自分がビビって
ってことで、慌ててミスミで 超硬Φ0.5mmドリルを追加購入。

これが正解。
細い部分が短く、超硬なので剛性もあって安心感が段違い。

結果……

無事に加工完了!!

いやほんと、胸をなでおろしました。


■ ドリル、ちょっと買いすぎ問題

Φ0.5以外にも径違いの加工があり Φ0.6、Φ0.7 を各2本ずつ買ったので、
しばらく極細ドリルには困りません。

嬉しいんだか悲しいんだか。


まとめ

  • t0.5mmステンにΦ0.5穴加工
  • OSGは細径部が長く不安 → 超硬ドリルの安心感
  • 無事に加工完了、だけどドリルは大量に余った。笑

薄板+極細穴は怖いけど、工夫すればちゃんと通せました。


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【ワイヤーカット】40kg超の重量物にダブルキー加工。焼入れ前後の段取りが大事!!

今回は ワイヤーカットでダブルキー溝の加工 を行いました。
しかも、これがとんでもなく重い。写真では伝わりにくいですが、1人で持ち上がらないレベル(40kgオーバー) の重量物です。

さらに厄介なのが、表面だけが硬くなる“高周波焼入れ”が入る部品だということ。


■焼入れ後にキー溝を切らない理由

高周波焼入れは表層だけ硬くする処理なので、
焼入れ後にキー溝を加工すると…

キー溝の部分だけ“焼きが入ってない柔らかい部分”になる

という問題が起きます。

歯車を扱うお客様なので、強度に関しては当然シビア。
そのため、工程は少し面倒ですが、次の順番に。

  1. 焼入れ前に荒加工のキー溝をワイヤーカット
  2. 高周波焼入れ
  3. 研磨(外径・側面など)
  4. ワイヤーカットで仕上げキー溝加工

焼入れ前と後でキー溝を2回加工するため手間は増えますが、
これが 強度を落とさず、精度を出すためのベストな方法 です。
キー溝の位置がずれない用に水平にセットする事が重要になってきます。


■タチバナ製作所の担当範囲

今回は キー溝加工のみ当社で対応
焼入れ・研磨・歯車の仕上げはすべてお客様が担当されます。

周囲には歯車の歯形があり、もちろん写真には写せませんが、
「そりゃ重いわ…」というサイズ感。
正直、治具に乗せるだけでひと仕事でした。


あ~重たかった。

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「ワイヤーカットで歯車加工!DP30・PA30°・Z12の読み方まとめ」

【歯車加工】DP30ってなに?インボリュートスプラインの図面を読み解く

タチバナ製作所では、ワイヤーカットで歯車加工を行うことがよくあります。
特に内径のインボリュートスプライン小径歯車など、カッターが入らないような加工ではワイヤーカットが大活躍です。

ただし、歯車の図面って普通の部品図とは少し違っていて、**諸元(しょげん)**と呼ばれる数値を読み解かないと作図すらできません。
この「諸元の意味」を理解していないと、正しい歯形を出すことができないんです。

うちの親父さん(=タチバナ製作所の初代)も、昔から歯車の依頼を数多くこなしてきたので、頭の中にそのノウハウがびっしり。
ただ、私が聞いてもすぐ忘れてしまうので(笑)、今回は自分用メモ兼・歯車図面の読み方ブログとしてまとめておきます。


■歯車図面の基本(まずは公式から)

まずは歯車設計の基本公式:

d = m × z
d:基準ピッチ円
m:モジュール(歯の大きさ)
z:歯数

逃げ方向は「基準ピッチ円 × 1.25倍」が目安です。


■諸元の読み方(DP30・PA30°・Z12 など)

DP30
 これはインチ表記でのモジュールを意味します。
 DP = 25.4 ÷ m なので、
 25.4 ÷ 30 = m = 0.8467(モジュール)

PA30°
 圧力角(歯がかみ合う角度)は30°。(20°が一般的)

Z12
 歯数は12枚。

転位係数
 タチバナ製作所では、作図時にあまり使用しません。

大径・小径
 使用ソフト「ナスカ」では、
 刃先=大径、刃底=小径 で入力します。
 本来は内歯車・外歯車で逆になりますが、ナスカには切替機能がないため注意!

ピン寸法
 検査時に使用するピンゲージの径と距離。
 外歯車は「オーバーピン」、内歯車は「ビトウィーンピン」で確認します。


■作図時のチェックポイント

ナスカで諸元を入力したら、必ず以下を確認!

  • ピン間距離が指定値になっているか?
  • 大径・小径の設定に間違いはないか?

この2つを押さえておけば、トラブルを防げます。
歯車は数値の読み違いひとつで全てが狂うので、慎重さが命です。


■まとめ

歯車図面は数字の羅列に見えても、そこには設計者の意図が詰まっています。
その意味を理解できると、加工の精度もぐっと上がる。
自分で計算して理解することで、ワイヤーカットの強みを最大限に活かせると思います。

これで忘れても、この記事を読み返せば大丈夫!


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ワイヤーカットの面粗度を測定してみた【SUS304 × 新機械での実験】ワイヤーカットの面粗度を測定してみた 。

以前の日報→「ワイヤーカットの面粗度とは?」
この疑問、自分の業務日報の中でも一番アクセスされているテーマです。

せっかく新しいワイヤーカット機械に入れ替わったので、改めて実測してみることにしました。条件表に書いてある数値と実際の加工結果がどこまで一致するのか…気になるところです。


実験条件と使用機械

  • 機械:FANUC α-C600iC
  • ワイヤ径:0.2mm
  • 材質:SUS304
  • 測定機:FORMTRACER Avant

今回は裏面に「タチバナ製作所」と社名を彫り込み、サンプル品としても使えるようにしました。


測定結果(1CUT~4CUT)

実際に加工して測定した面粗度の結果がこちらです。

  • 1CUT:Ra 2.2852μm / Rz 12.6056μm
  • 2CUT:Ra 1.3882μm / Rz 8.6739μm
  • 3CUT:Ra 0.3571μm / Rz 2.5287μm
  • 4CUT:Ra 0.1816μm / Rz 1.2524μm

機械の条件表よりも実際の仕上がりのほうが良い数値でした。正直「良すぎじゃないか?」というレベルです。逆に不安になります。

特に1CUTの段階で、実際に切断したのと「舐めるように加工した」のとで差が出た可能性があります。ワイヤー径0.2mmと同じ程度削っているので、問題ないと思いますが、加工方法が影響しているのかもしれません。


加工方法

  1. 裏面にマシニングセンタで社名を彫刻
  2. 専用ジグを製作し、そこにワークをセット
  3. ワイヤーカットで 1CUT~4CUT を加工
  4. 最後にワイヤーカットで切断して完成

※今回は「1CUT目を実際に切断しなかった」点が仕上がりに影響している可能性あり。
次回は「実際に切ってから加工」を試してみようと思います。


まとめ

  • ワイヤーカットの面粗度は、条件表以上に良好な結果が得られる場合がある
  • 加工方法(特に1CUT目の扱い)が仕上がりに影響する可能性が高い
  • サンプル品を作っておくと、社内だけでなく対外的にも説明に便利

次回の挑戦はいつになるか分かりませんが、また試したら報告します!


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日本刀の「ねじれ直し」治具に使用|JAM精密バイスの穴加工と“矯め木”システム

またまた、刀剣研師の中村さんからお声がけをいただきました。

以前もブログに登場していただいた方です(→刀の研師からのおしごと)。

今回のおしごとは、「日本刀の曲がり直し・ねじれ直し」に使う専用装置に関わるもの。
使用するのは、なんとあのJAM製の精密バイス。それにタチバナ製作所で取り付け穴を加工しました。


HRC60!高硬度材のJAM精密バイスに穴あけ加工

依頼内容は一見シンプルで、「バイスに穴+ザグリ加工をしてほしい」というもの。
ところが、問題はその素材。HRC60の高硬度鋼です。

しかもバイスの口金が邪魔で、通常の刃物では届かない…。
これではロング高硬度ドリル+ザグリドリルが必要になりそうだなと思い、中村さんにご相談。

すると、すぐに穴位置をわずかに設計変更してもらい
高価な工具の購入は1本だけで済むように。あとは弊社の手持ち工具で対応可能になりました。

ちなみにこの加工、1番上の写真のように火花がバチバチ飛ぶほどのスリリングな工程でした。機械も、加工者も、全集中です。


加工後の姿と、刀剣研師による“矯め木(タメギ)”矯正装置

完成したバイスはこちら👇

このバイス、実は「次世代デジタル矯め木(タメギ)」と呼ばれる装置に取り付けられます。
日本刀の「曲がり直し」や「ねじれ直し」の際に、
刃を安全かつ正確に修正するためのシステムなんだそうです。

中村さんから実際の使用写真も送っていただきました。


手作業 × デジタル × 道具の力

刀剣の世界では「研ぎ」や「矯正」は長年の経験と感覚が頼りになりますが、
そこにデジタルの力と精密な治具を組み合わせることで、
より安全で再現性の高い作業が可能になるとのこと。

こういう分野に、自分たちの加工技術が少しでも関われるのは本当にうれしいです。


高硬度バイス、曲がり直し装置、矯め木システム…
一見バラバラの世界が、刀一本でつながっていく。
こういう仕事は、町工場冥利につきますね。

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中村さんの師匠がユーチューブチャンネルの取材を受けたそうです。19分頃に中村さんもでるとのことで見させてもらいました。


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「SUS304厚板の薄板化と斜め穴加工|位置決め治具の工夫と反省点」

SUS304厚板からの削り出し加工|傾斜穴あけ用治具と位置決めピンの失敗と収穫

今回の加工は、なかなか加工しごたえのある製品でした。

なんと、28mm厚のSUS304を削り出して、最終的には厚さ3mmの製品に仕上げていくという内容です。
しかも、最後の工程では45°の斜め方向に穴をあけるという要求つき。

製品の形状は残念ながら公開できませんが、最終工程で使った斜め加工用の治具の写真はこちら👇

この治具、簡単に見えて位置決めが最大の課題でした。
製品にはΦ6の基準穴があったので、そこに合わせて位置決めしようと、Φ6の根元+Φ5.95の先端という段付きピンを使用。
これで「位置も傾きもバッチリ出るはず!」…と期待していたのですが…


実際は、そううまくはいかず…

0.05mmのクリアランスが思った以上にガタつき、しかも材料の削り出しで微妙に反りが出るため、位置決めにバラつきが発生

結局、1個ずつ手動で位置出しをする羽目に。
そのせいで、1本1,500円くらいする位置決めピンを4本も買ったのにそこまで活躍せず、やや後悔…。

最初から外周に簡単なピンを立てて位置合わせすればよかったな〜と反省。


今回の収穫

ただ、得るものもありました。

今回使ったのが、2個のバイスをまたぐ口金(ジョー)
これによって、薄くて長いワークもしっかり安定してクランプできました。
(この写真が撮れなかったのが悔やまれます…)

このバイスをまたいでクランプする方法は、次回以降の類似案件でも必ず役立つと思います!


加工はうまく完了。失敗も学びもある、いい仕事でした!

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「丸物の裏表加工|平行確保にブロックゲージを使った実例」

鉄砲の玉のような部品加工|ブロックゲージで裏表の平行を確保する工夫

今回は、鉄砲の玉のような形状の部品を加工しました。
ご依頼主は、いつもお世話になっている旋盤屋さん

加工内容は、裏表の両面削り。しかも全体の厚みに公差が入っているという、見た目以上に精度が求められる部品です。

まずは表面を15mm加工。
問題は裏面の加工で、どうやって裏表の平行を出すかが課題でした。

そこで使ったのが、こちらの写真にあるブロックゲージでの固定方法👇

削った表面分と同じ厚みのブロックゲージを用意して、その上にワークを設置。
これが驚くほどピッタリ!しっかり平行が出て、ブレもなし。写真でもその様子がよく分かりますね。

ワークが丸く、さらに傾斜がついているため、側面でのクランプでは接触点が限られてしまいます。
ですが、ゲージ上での支えと横方向からの押さえによって、精度と安定感を両立できました。打痕が付かないように、バイスにはアルミの板を噛ませています。

最終形状はちょっとお見せできませんが、仕上がりも問題なし、寸法もバッチリ

こういうちょっとした工夫がうまくいくと、
「やっぱり段取りって大事だな~」と改めて感じます。

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「測定ジグのリバースエンジニアリング|図面と現物からの再製作とワイヤカット加工」

久々のリバースエンジニアリング|測定ジグの再製作とワイヤカット加工

今回は久しぶりにリバースエンジニアリング的な仕事でした。

図面がまったく無いわけではないのですが、今回のご依頼は「前回と同じように製作してほしい」という内容。対象は製品そのものではなく、測定用ジグです。

R形状など拾えるところは図面からしっかり読み取り、それ以外の寸法はマシニングで現物を測定していきます。こういう時に3D測定機や非接触測定機があれば精度的にも安心なんですが、外部に測定依頼を出すとそれなりにコストもかかる…。タチバナ製作所は持っていない。。。

なので今回は、現物を見ながら自分で地道に測定して進めていきました。

もちろん、すべての箇所を高精度に測る必要はなく、使わないところや関係ない箇所はざっくりでOK。こういう加減ができるのも、自社対応ならではのメリットですね。

測定の結果、図面と異なる箇所があったので、お客様に「現物優先」か「図面優先」かを確認。図面優先で進めることになり、いざ加工スタート!

加工自体はシンプルで、鉄板をワイヤカットでぐるっと切り抜くだけの単純加工。でも、図面との照合や寸法拾いなど、段取りがしっかりできていないと失敗するタイプの仕事です。

今回は無事に完了!

こういう「前と同じでお願い」って、意外と奥が深いんですよね。

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「SKD11高硬度材の追加工|コの字型ワークのR加工と歪み防止の工夫」


SKD11高硬度材の追加工|焼入れ後のコの字形状R加工と治具の工夫

今回は、**SKD11の高硬度材(HRC60)**への追加工を行いました。
焼入れ後の加工なので、素材はかなり硬いです。いや〜ほんと、削るたびに最近の刃物ってすばらしいな~と思います。

加工内容としては、中にR1.5mmの加工のみ。恐らくプレス金型の曲げ部分かと思われます。タチバナ製作所ではよくあるご依頼ですが、今回はちょっと形状がやっかいで…。
コの字型のワーク、こいつが一筋縄ではいかない。

まず、普通にバイスでクランプしようとすると、間違いなく歪みます
上から押さえようにも、固定するスペースが少ない。なので、今回はコの字の内寸を測って、そこにピッタリ合うものを差し込んで固定する方法にしました。

ちょうど3mmのシムが手元にあったので、3枚入れたらなんとピッタリ!
これがズレている時は、0.2mmのシム板や紙、クリアファイルを使って微調整していきます。
でも今回はラッキーなことに、シム3枚でジャストサイズ。ツイてる!

内側がしっかり詰まってくれれば、あとは通常の加工。
コの字の内側にR加工をするんですが、ここも一つポイントがあります。
角がある形状だと、余分に食い込ませたり、小径工具を使わないといけないので、手間もコストも跳ね上がります。
今回は「食い込ませる」指定だったので助かりました。

ちなみに、内径にR加工をする際は、角Rを少し大きめに取っておくと、加工のしやすさ・価格ともにだいぶ変わります。
これはほんと大事。

生材ならある程度攻められますが、高硬度材はちまちま加工していくしかないので、時間がかかります
無理して削って刃物をダメにするより、最初から設計で配慮してもらえると助かります

もう一度だけ言わせてください。

角Rは、大きめに。ほんとに。

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