レーザー→焼入れ→ワイヤカットの落とし穴と、町工場の回避テク

今回は、焼きが入ったSK材の鉄板に大きめのコの字抜きをワイヤカットで仕上げ加工しました。
外形と手前の長穴はレーザーで先に加工し、その後に焼入れ。
最後に**±0.005の精密箇所だけをワイヤカットで仕上げる流れ**です。

交差が緩ければどうってことないんですが、今回はさすがに苦戦しました。


応力が暴れて歪む鉄板。大開口では“あるある”のトラブル

焼入れ後の鉄板を大きくくり抜くときにまず警戒するのが 応力解放による歪み です。
一発でガッツリ抜くと、内部応力が一気に出て形が崩れます。

なので予定通り

  • レーザー屋さんに応力逃がし用の大穴を中央に開けてもらう
  • その後に割りを一発入れてから本加工

という段取りで暴れを抑えつつ加工に入ります。

ここまではいつもの想定内。


しかし今回はトラブル発生

加工中は公差内にバッチリ収まってたのに、
クランプを外した瞬間……

「小さくて入らん!」

完全に歪んでました。
どうやら、鉄板がガタガタすぎてクランプした瞬間に強制的に歪んでいたらしい。


対処法:シムを敷いて“面”ではなく“点”で押さえる

そこで次の手に変更。

  1. プレートの下に真鍮シムをセット
  2. シムがある部分だけをクランプ(=鉄板の歪みを修正しないよう固定)

これでプレート全体を無理に押しつぶさず、歪んだままクランプします。

加工を再スタート。
加工後にクランプを外して確認すると——

今回こそ公差内に収まってました。助かった。


“研磨すべき案件”でも、予算次第で段取りを工夫する

正直、このレベルの交差なら板厚面は研磨をするのが通常のながれ。
でも今回は予算も限られていたので、
ワイヤカット側で段取りとクランプ方法を工夫して仕上げました。

結果として、

  • お客さんのコストは守れた
  • うちは技術が一つレベルアップした

ということで、まあ結果オーライです。


今年の日報はこれで最後になります。
なんて事ない日々の加工方法を記した日報ブログですが、あなたが見てくれている人がいるだけで、少しはやる気が出ます。今年も読んでいただいてありがとうございました。
来年も宜しくお願い致します。

親父と息子たった二人の町工場の息子より。


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ワイヤーカットで丸物加工40mm切り欠きも問題なし。タチバナ製作所のワイヤーカット治具紹介

そろそろ年末モードになってきました~。

今回は、SUS304の丸棒に深さ40mmほどのコの字切り欠きをワイヤーカットで加工しました。

浅い切り欠きならマシニングでも対応できますが、40mmの深さになると変形リスクも大きいため、ワイヤーカットの依頼をいただくケースが多いです。

写真のように、丸物をしっかり固定できれば、ワイヤーカットとしては特別むずかしい加工ではありません。
ただし——
丸物を安定して固定できる治具(Vブロック)がないと、一気に手間が増えるのが現実です。


タチバナ製作所が加工をスムーズに終わらせられる理由

うちでは、ワイヤーカット専用の治具をの多くを自作しています。
暇な時間に作るのが一番使いやすいし、現場のクセが分かってるから改良もしやすいんですよね。

今回使ったVブロックのポイントは次の3つ。

① 固定しやすいように両サイドへ切り欠き加工

どんな姿勢でもクランプしやすく、段取り時間が短くなる。

② ワークを直接固定できるように治具にタップ加工済み

丸物が転んだりズレたりする心配がない。

③ ワイヤーカットの弱点(高さが上がると遅い)を避ける低い設計

加工速度をできるだけ落とさず、段取りも安定。


深い切り欠き加工は、専用治具がある町工場が強い

丸物 × 深い切り欠き × SUS304
この組み合わせは、段取りの良し悪しがそのまま品質と納期に影響します。

自作治具を使いながら、なるべくサクッと加工を終わらせています。


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【ワイヤーカット】40kg超の重量物にダブルキー加工。焼入れ前後の段取りが大事!!

今回は ワイヤーカットでダブルキー溝の加工 を行いました。
しかも、これがとんでもなく重い。写真では伝わりにくいですが、1人で持ち上がらないレベル(40kgオーバー) の重量物です。

さらに厄介なのが、表面だけが硬くなる“高周波焼入れ”が入る部品だということ。


■焼入れ後にキー溝を切らない理由

高周波焼入れは表層だけ硬くする処理なので、
焼入れ後にキー溝を加工すると…

キー溝の部分だけ“焼きが入ってない柔らかい部分”になる

という問題が起きます。

歯車を扱うお客様なので、強度に関しては当然シビア。
そのため、工程は少し面倒ですが、次の順番に。

  1. 焼入れ前に荒加工のキー溝をワイヤーカット
  2. 高周波焼入れ
  3. 研磨(外径・側面など)
  4. ワイヤーカットで仕上げキー溝加工

焼入れ前と後でキー溝を2回加工するため手間は増えますが、
これが 強度を落とさず、精度を出すためのベストな方法 です。
キー溝の位置がずれない用に水平にセットする事が重要になってきます。


■タチバナ製作所の担当範囲

今回は キー溝加工のみ当社で対応
焼入れ・研磨・歯車の仕上げはすべてお客様が担当されます。

周囲には歯車の歯形があり、もちろん写真には写せませんが、
「そりゃ重いわ…」というサイズ感。
正直、治具に乗せるだけでひと仕事でした。


あ~重たかった。

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「ワイヤーカットで歯車加工!DP30・PA30°・Z12の読み方まとめ」

【歯車加工】DP30ってなに?インボリュートスプラインの図面を読み解く

タチバナ製作所では、ワイヤーカットで歯車加工を行うことがよくあります。
特に内径のインボリュートスプライン小径歯車など、カッターが入らないような加工ではワイヤーカットが大活躍です。

ただし、歯車の図面って普通の部品図とは少し違っていて、**諸元(しょげん)**と呼ばれる数値を読み解かないと作図すらできません。
この「諸元の意味」を理解していないと、正しい歯形を出すことができないんです。

うちの親父さん(=タチバナ製作所の初代)も、昔から歯車の依頼を数多くこなしてきたので、頭の中にそのノウハウがびっしり。
ただ、私が聞いてもすぐ忘れてしまうので(笑)、今回は自分用メモ兼・歯車図面の読み方ブログとしてまとめておきます。


■歯車図面の基本(まずは公式から)

まずは歯車設計の基本公式:

d = m × z
d:基準ピッチ円
m:モジュール(歯の大きさ)
z:歯数

逃げ方向は「基準ピッチ円 × 1.25倍」が目安です。


■諸元の読み方(DP30・PA30°・Z12 など)

DP30
 これはインチ表記でのモジュールを意味します。
 DP = 25.4 ÷ m なので、
 25.4 ÷ 30 = m = 0.8467(モジュール)

PA30°
 圧力角(歯がかみ合う角度)は30°。(20°が一般的)

Z12
 歯数は12枚。

転位係数
 タチバナ製作所では、作図時にあまり使用しません。

大径・小径
 使用ソフト「ナスカ」では、
 刃先=大径、刃底=小径 で入力します。
 本来は内歯車・外歯車で逆になりますが、ナスカには切替機能がないため注意!

ピン寸法
 検査時に使用するピンゲージの径と距離。
 外歯車は「オーバーピン」、内歯車は「ビトウィーンピン」で確認します。


■作図時のチェックポイント

ナスカで諸元を入力したら、必ず以下を確認!

  • ピン間距離が指定値になっているか?
  • 大径・小径の設定に間違いはないか?

この2つを押さえておけば、トラブルを防げます。
歯車は数値の読み違いひとつで全てが狂うので、慎重さが命です。


■まとめ

歯車図面は数字の羅列に見えても、そこには設計者の意図が詰まっています。
その意味を理解できると、加工の精度もぐっと上がる。
自分で計算して理解することで、ワイヤーカットの強みを最大限に活かせると思います。

これで忘れても、この記事を読み返せば大丈夫!


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「測定ジグのリバースエンジニアリング|図面と現物からの再製作とワイヤカット加工」

久々のリバースエンジニアリング|測定ジグの再製作とワイヤカット加工

今回は久しぶりにリバースエンジニアリング的な仕事でした。

図面がまったく無いわけではないのですが、今回のご依頼は「前回と同じように製作してほしい」という内容。対象は製品そのものではなく、測定用ジグです。

R形状など拾えるところは図面からしっかり読み取り、それ以外の寸法はマシニングで現物を測定していきます。こういう時に3D測定機や非接触測定機があれば精度的にも安心なんですが、外部に測定依頼を出すとそれなりにコストもかかる…。タチバナ製作所は持っていない。。。

なので今回は、現物を見ながら自分で地道に測定して進めていきました。

もちろん、すべての箇所を高精度に測る必要はなく、使わないところや関係ない箇所はざっくりでOK。こういう加減ができるのも、自社対応ならではのメリットですね。

測定の結果、図面と異なる箇所があったので、お客様に「現物優先」か「図面優先」かを確認。図面優先で進めることになり、いざ加工スタート!

加工自体はシンプルで、鉄板をワイヤカットでぐるっと切り抜くだけの単純加工。でも、図面との照合や寸法拾いなど、段取りがしっかりできていないと失敗するタイプの仕事です。

今回は無事に完了!

こういう「前と同じでお願い」って、意外と奥が深いんですよね。

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SUSシームレスパイプをワイヤカット&専用治具で対応。

SUSシームレスパイプの追加工|ワイヤカットと治具を使った固定の工夫

今回は、既製品のSUSシームレスパイプを加工して製品を仕上げました。

まずはワイヤカットでパイプを半分に切断。その後、半分になったパイプをそれぞれ追加工します。ただ、この「パイプを固定して加工する」っていうのが、なかなか難しいポイントなんです。

実は、写真を取り忘れたのが悔やまれるんですが…
最初の工程、つまり「パイプを半分に切断する」作業が地味に一番やっかいでした。

ワイヤカットで切るだけなら簡単なんですが、固定する場所が必要になります。そこで今回は、少し長めのパイプを用意して、両端をしっかり固定。切断と同時に、固定していた部分を切り落とすという段取りで対応しました。

さらに、半分にしたパイプの追加工。これがまたクセ者で、
状態的に掴みしろがまったくなく、普通の方法では固定できないんです。
なので、今回は専用の治具を作成してから加工しました。

図面にはしっかりと寸法公差の指定があるのですが、パイプは測る位置で外径にバラつきが出やすいんですよね。なので、そのばらつきを見ながら、慎重に加工する必要があり、2工程目が意外と手間のかかる作業となりました。

とはいえ、一度治具を作っておけば次にも使えるので、「また同じ注文こないかな〜」なんて思ったりしてます。

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小径純鉄に穴加工。

ブロックから、ワイヤカットでΦ5mmの丸を切り出してから、端面に2個所穴加工をします。(中心ではない)
マシニングで固定しようにも小さすぎる~!!小径のスクロールチャックは硬爪しかないし。。。純鉄には確実に食い込む。

という事でジグを作って加工します。左右の丸穴にΦ5mmをはめ込んで、横からネジで止めてから、穴加工~。

どってことない加工ってのは以下に簡単なジグを作るかにかかってきます。。。と言っても少量品がメインなんで、そんなじジグにお金もかけられないし~。。。悩ましいところです。

今回の反省点。。。純鉄ってやわらかい~。。。左右のボルト、先端に真鍮が付いているボルトなんですが、うっすら固定の跡が残った。。。純鉄に穴加工の際も、ちょっと切れないドリルだとすぐに穴径が拡大してしまう。

意外と難しかったぞジュンテツ~!!

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テーブルサイズは400mm×600mm

(有)タチバナ製作所のテーブルサイズは、ワイヤカットマシニングセンタ共に
【400mm×600mm!!】

ほんというと、マシニングセンタは630×410、ワイヤカットは400×600なんですが、細かく言ってもなかなか覚えてもらえないので、お客様には「400×600」と言っています。今回のマシニング加工は短手方向450mmありましたが、加工範囲が350mmくらいなので加工可能でした。

焼きが入った高硬度材にC面をとるだけの加工ですが、サイズがいっぱいだといろいろと大変な事もでてきますね。

400×600サイズを超えた場合、どういう場合に加工ができて、どういう場合にできないか、なんとも説明が難しいので、、こればっかりは図面を見せてもらってからじゃないとお返事ができません〜。

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ワイヤカットの自動給脂アラーム!!発動!!

ワイヤカットってメンテナンスが仕事の一部だな~!!ってつくづく思います。

タチバナ製作所のワイヤカットには自動給脂という機能があります。昔は手でグリグリとボールネジにグリスを塗ったり、グリースガンで注入したら、自動でグリスを塗ってくれたり、いろいろな方法がありましたが、今は全て自動で塗ってくれるんですって~!!すご~!!

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金型メーカーさんとのお約束。(メモ)

商社さん経由で金型のワイヤカットのお仕事をいただきました。何度かご注文いただいている金型メーカーさんなんですが、クリアランス等の打ち合わせ内容を、すぐに忘れてしまいます。前の図面やCADデータを見返せばわかるのですが、なんでこの数字になったのかな~。。。不安な場所が若干あります。

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