日本刀の「ねじれ直し」治具に使用|JAM精密バイスの穴加工と“矯め木”システム

またまた、刀剣研師の中村さんからお声がけをいただきました。

以前もブログに登場していただいた方です(→刀の研師からのおしごと)。

今回のおしごとは、「日本刀の曲がり直し・ねじれ直し」に使う専用装置に関わるもの。
使用するのは、なんとあのJAM製の精密バイス。それにタチバナ製作所で取り付け穴を加工しました。


HRC60!高硬度材のJAM精密バイスに穴あけ加工

依頼内容は一見シンプルで、「バイスに穴+ザグリ加工をしてほしい」というもの。
ところが、問題はその素材。HRC60の高硬度鋼です。

しかもバイスの口金が邪魔で、通常の刃物では届かない…。
これではロング高硬度ドリル+ザグリドリルが必要になりそうだなと思い、中村さんにご相談。

すると、すぐに穴位置をわずかに設計変更してもらい
高価な工具の購入は1本だけで済むように。あとは弊社の手持ち工具で対応可能になりました。

ちなみにこの加工、1番上の写真のように火花がバチバチ飛ぶほどのスリリングな工程でした。機械も、加工者も、全集中です。


加工後の姿と、刀剣研師による“矯め木(タメギ)”矯正装置

完成したバイスはこちら👇

このバイス、実は「次世代デジタル矯め木(タメギ)」と呼ばれる装置に取り付けられます。
日本刀の「曲がり直し」や「ねじれ直し」の際に、
刃を安全かつ正確に修正するためのシステムなんだそうです。

中村さんから実際の使用写真も送っていただきました。


手作業 × デジタル × 道具の力

刀剣の世界では「研ぎ」や「矯正」は長年の経験と感覚が頼りになりますが、
そこにデジタルの力と精密な治具を組み合わせることで、
より安全で再現性の高い作業が可能になるとのこと。

こういう分野に、自分たちの加工技術が少しでも関われるのは本当にうれしいです。


高硬度バイス、曲がり直し装置、矯め木システム…
一見バラバラの世界が、刀一本でつながっていく。
こういう仕事は、町工場冥利につきますね。

親父と息子たった二人の町工場の息子より。

中村さんの師匠がユーチューブチャンネルの取材を受けたそうです。19分頃に中村さんもでるとのことで見させてもらいました。


ワイヤ放電加工・マシニング加工
㈲タチバナ製作所
TEL:044-266-5173/FAX:044-266-5198
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