ワイヤーカットは塗装が嫌い!!

写真家さんからの持ち込み仕事

今回のご依頼は、写真家さんからの持ち込み案件でした。現像時にネガを押さえるための道具を作るというものです。

最近の若い方はネガを見る機会がほとんどないかもしれませんが、私が子どもの頃はカメラで撮影したら、ネガを写真屋さんに持って行って現像してもらうのが当たり前でした。

現像といえば、暗室でネガを薬品につけて現像するというイメージがありましたが、今ではネガから直接PCに取り込める時代。それでも、今回ご依頼いただいた写真家さんは、昔ながらの現像方法による写真の質感が好きで、今でもこの方法を続けたいとのことでした。こだわりを持つことは大事ですね。私自身も仕事ではコストパフォーマンスを意識しつつ、自分なりのこだわりを大切にしたいと思っています。

加工の課題と試行錯誤

ただ、現在では現像をする人が少なくなり、専用の機械も製造されていないそうです。そこで、他の製品を追加工して使うための加工依頼がタチバナ製作所に来ました。

メールで写真を送ってもらい、見積もりをしたうえで持ち込みしていただきました。ここまでは順調でしたが、問題は加工の工程でした。

ワイヤカットは電気を通して切断する装置のため、電気を通さない素材の加工が苦手です。鉄やステンレス、アルミ等の素材は問題ないのですが、表面に付いているメッキや塗装の種類によっては電気を通さないものがあります。電気を通さないと加工不可ですが、薄い被膜であれば切断可能な時もあります。とはいえ、「どの程度なら大丈夫なのか?」というのは正直なところ分かりません。

今回も「押さえるだけの部品だから、それほど厚い塗装ではないだろう」と油断していたのですが、実際はしっかりと塗装されており、電気が通らず断線の連続。なかなか加工が進まない状態に陥りました。

スコッチブライトや酸洗いでも簡単には落とせない強力な塗装で、おそらく焼付け塗装だったと思います。(T_T)

それでも、ワイヤー線を切りながら、少しずつヤスリ掛けをしながら加工を進め、なんとか切断に成功。仕上がりは少々不格好になってしまいましたが、「押さえるだけのものなので」とお客様には了承いただけました。最後に弊社のミニサンダーで軽く段差を磨いてから納品しました。

今後の対策

次回からは、持ち込み時にその場で塗装の落ち具合を確認し、簡単に落ちないようなら最初に全て除去しないと加工は難しいことを事前にお伝えするようにします。

今回の作業は、見積もりの2倍以上の時間がかかってしまいましたが、これは勉強代だと思うしかないですね。

親父と息子たった二人の町工場の息子より。


ワイヤ放電加工・マシニング加工
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